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徳島で行われる人形浄瑠璃のうちこの外題が半分を占めるのではないだろうか。人口に膾炙された有名な外題。徳島の人形座でこの外題の出来ないところはない。
いわゆるご当地もの。徳島藩のお家騒動に絡んで、阿波の十郎兵衛・お弓の夫婦は主君の盗まれた刀を詮議するため大阪玉造に盗賊銀十郎と名を変え住んでいる。そこへ巡礼姿の娘お鶴がはるばる徳島から父母を尋ねて来る。お弓は我が子と分かるが、そこで親子の名乗りをしたのでは、我が子にどんな災いが来るとも限らない。お弓は涙を飲んで別れる。名残惜しげに見送るのだが、ここで別れては今度いつ会えるか分からぬと追いかける。ここまでが順礼歌の段。十郎兵衛住家の段では、お弓と別れたあと、十郎兵衛はお鶴と出会う。我が娘とは知らない十郎兵衛は、金欲しさに我が子に手をかけ殺してしまう。
明和五年六月大阪竹本座で初演された。近松半二、竹田文吉らの合作といわれる。 |
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傾城阿波の鳴門のおつる |
傾城阿波の鳴門のお弓 |
傾城阿波の鳴門の捕手 |
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