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用語解説
あ行か行さ行た行な行は行ま行や行わ行
あ行
アオチ 眉全体が上がり下がりする仕掛け。眉形に切った金属板の眉根が額の縦溝を上下する。
上下に動く眉をアオチといい、これによって怒った表情などを現す。
悪婆(あくばば) 婆頭の顎が少し突き出し、意地悪そうな目つきをした頭。朝顔日記の荒妙など。
顎落(あごおち) 下顎がコメカミの部分から落ちて口辺が裂け、物凄い鬼女の相貌となるカラクリ。
山姥などに見られる。
猪首(いくび) 首(喉木)が頭と一木で作られていて、上下に動かない頭をいう。
雑なつくりで、端役に用いられる。
一役頭(いちやくかしら) その役のために特別に作られた頭で他の役への流用ができない。
大江山の酒呑童子や玉藻前の妲己など。
内銘(うちめい) 頭の内側に製作者名、製作年月日などをしるしたものをいう。
明治以後に製作された頭に多い。
ウナヅキ 頭が上下にうなづく動き。
頭の内部のバネに接続する糸を胴串の引栓で操作して動かせる。
恵比寿(えびす) 旧正月の門付け三番叟の恵比寿まわしに用いられた人形。
漁村で人形芝居を興行するときも恵比寿舞で大漁を祈った。
偃歯式(えんばしき) 頭のウナヅキを表現する鯨歯を使った古式のカラクリ。
胴串の後部に出た引栓で操作する。
お福(ふく) 下膨れした顔にひょうきんな目鼻だちで、終始おもしろおかしく動く。
お多福。
女形(おやま) 女の人形に使う頭。小娘、娘、女房、婆、お福など。
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か行
返り目(かえりめ) 目玉がひっくり返る仕掛け。胴串の糸を引くと眼球が上下に回転して異形、妖怪の相となる。顎落ちの伴うを常とする。
描き眉(まゆ) 頭へ直接に描いた眉。動きのない頭で、女形はほとんどが描き眉である。
累(かさね) 口が耳もとから裂け金色の歯が光り、目玉が返って金目となる。
仕掛けは山姥と同じだが、角が出ないのが特色。
敵役(かたきやく) 弱い者をいじめる憎々しい表情をした頭。彦山権現の京極内匠などに使われるので内匠頭ともいう。
鬘(かつら) 人形の頭髪のこと。鬘にも時代物と世話物との区別があり、髪形によって役どころがわかる。その種別は男女とも多様で、まさかり、百日などの名称で呼ばれる。
角目(かどめ) 男性の主役を演じる頭。上瞼が一直線で目尻が斜めに上がり、目の両端を尖らせて鋭い。熊谷、光秀などがそれで、文楽でいう文七頭のこと。
カラクリ 人形の糸の仕掛けで操って動かす装置。このカラクリを曲といい、頭の曲の数によって二曲頭とか三曲頭とかいう。
家老(かろう) 理知的で上品な顔の頭。片桐且元に使われるところから片桐頭ともいう。文楽では孔明とよぶ。
菅丞相、大星由良之助などに用いる。
勢(きおい) 目や鼻の特徴を強めるためその周辺に施された線描。目尻に裂線を鋭く描き添えて目のするどさを強調するなど。
玉眼(ぎょくがん) 水晶、珠玉、ガラスなどはめ込んだ頭の眼をいう。
口開き(くちあき) 下唇が上下することによって口の開閉を表現する仕掛けをいう。しゃべっている表現をリアルに現す。
隈取り(くまどり) 役柄を強調するために紅、青、墨などの絵具で一定の型に顔面を彩色すること。目や鼻などの器官を強調する勢とは別。
傾城(けいせい) 吉田屋の夕霧といった傾城の役どころに使う頭。華麗で濃艶さがただよう。
芸題(げだい) 外題 上演される人形芝居の題名。時代劇、世話物あわせて八百ほどある。
剣別師(けんべっし) 文楽の検非違使にあたる。剣の字を当てるのは別師よりきつい性格を持つ意が含まれており、宗五郎、松王丸などに使われる頭。
後室(こうしつ) 年増の女頭で、文楽でいう老女形のこと。一谷の相模や忠臣蔵の戸無瀬など。
小猿(こざる) 胴串に取り付けた木や竹で作った引っ掛け。これへ引糸を結びつけて下へ押すと頭の眉や口や目が動く。
子供(こども) 子役に用いられる頭。男子役と小娘役がある。阿波の鳴門のお鶴など、子役に用いられる頭は可憐さが身上。
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さ行
三曲(さんきょく) 眉が動き目や口を開け閉じする頭で、顔に品があり二枚目役に用いられる。太功記の十次郎、一谷の敦盛など。
三番叟(さんばそう) 三番叟、翁(二番叟)、千歳(一番叟)の三個の特別の頭をいう。神格化されており、別箱に納める。
人形芝居の開演前には必ず式舞として三番叟を舞わす。
舌出し(しただし) ペロリと舌をだす頭の仕掛け。丁稚役によく用いられる。
時代物 (じだいもの) 人形芝居の芸題のうち、武家階級や歴史物語に取材したものをいう。
皺線(しわせん) 頭の顔面、頬骨の下などに施された細い曲線で、苦悩する老人の相貌を表現する。描き皺と彫り皺がある。
新丸目(しんまるめ) 小丸目より小さくて齢が若い頭で、七本槍の正清、忠臣蔵の弥五郎などに使われる。文楽の鬼若にあたる。
総曲(そうきょく) 頭の動きのことを曲といい、目の開閉、眉の上下、口の開閉、目の左右など総ての曲が用いられている頭を総曲という。
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た行
立眉(たちまゆ) 頭の眉が立ちあがる動きをいう。眉根から頭の内部を経て胴串までのびた糸を引くと、眉尻の方が弧線を描いて立ちあがる。
立役(たちやく) 人形芝居の中で主役を演ずる役柄。その頭を立役頭という。
妲己(だっき) 玉藻前の妲己などに使う頭。ガブッと口を開けるところから、文楽ではガブと呼んでいる。
ダラ助(すけ) 身分の低い下男、奴などに使われる頭。油屋の喜助、茶屋場の平右衛門など。
チャリ 滑稽な三枚目役の頭。半ドウとダラ助があり、滑稽な顔を表現する鼻返りなどのカラクリがある。
縮緬張り(ちりめんばり) 塗りの代わりに縮緬を張った頭。武勇の士の死相をよく表現した景清がそれ。
角出し(つのだし) 乱れた頭髪の間から角が出る仕掛け。酒呑童子、山姥などにみられる。
ツメ 詰端頭の略。一緒に詰め込む端役頭の意で、百姓、町役、奴など。
胴串(どうぐし) 頭の首の下についている棒で心串ともいう。遣い手がこれを左手で握り頭を支えるとともに、頭のウナヅキと顔面器官を操る糸が仕掛けてある。いわば頭の中枢部。
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な行
梨割(なしわり) 頭が真二つに割れるカラクリ。立回りに使用し、滑稽な表現を現す。割れた中は赤色で目玉や口が白く描かれて梨を割ったようになる。
生首(なまくび) 首を斬られたとき首桶に入れられて舞台へ出てくる頭だが、小道具の部に入る。
二曲(にきょく) 眉が動き、目はつむるだけでカッと見開くことができない頭。
女房(にょうぼう) 既婚の中年女性の頭で、後室頭の一種。眉は青く描かれお歯黒である。
人形の足(にんぎょうのあし) 足は大、中、小に分けられ、脛と足は木、股は張子か布で出来ている。踵の上に取りつけた金具をつかんで前後左右に動かす。女の人形には使わないのが普通で、足の無い場合は足遣いが着物の裾を持ち、足のあるように遣って見せる。
人形の手(にんぎょうのて) 手は桧などで作られ、右手は小猿、左手は差金によって動く。つかみ手、たこつかみ、狐手、三味線手など役柄に応じて多くの種類があり、頭とともに人形芝居で重要な働きをする。
眠り目(ねむりめ) 頭の目を閉じる動きをいう。眼球を上下に回転させて白目の中に一文字の筋を引く。泣く動作に伴うもので眠りでない。
喉木(のどぎ) 頭の首の部分。頭と胴串を結ぶところで、胴串の引糸が喉木を経て頭に通じ、上下に動いたり正面を切ったりする。
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は行
鼻返り(はなかえり) 頭の鼻動きのこと。鼻がでんぐり返るように剥け、鼻柱が顔の中へ入って代わりに鼻の穴が出てくる。鼻むけともいう。
張り眉(はりまゆ) 眉毛を直接頭に張った眉。描き眉と同様に動きがない。
婆(ばば) 老女形が更に老年になったもの。顔に皺を刻み白髪で太功記の皐月などに使う。
半ドウ(はん) チャリの一種。おでこが突き出し、目、眉、口などに特徴のある顔をしている。寺子屋の玄蕃など。文楽では与勘平といい、三枚目。
引糸(ひきいと) 曲の糸。頭のウナヅキと目や眉、口などを操る糸で、胴串の引栓または小猿につながっている。
引栓(ひきせん) 胴串にあるトの字型の引っ掛け。胴串の細長い溝にはめ込まれており、これを下へ引くと引糸が頭を動かす。
引玉(ひきたま) ウナヅキをさせる引糸の先に結んだ玉状の引き手。和紙を小さく巻いて作る。
フキ眉(まゆ) 眉形に切った金属板に張りつけた毛の眉。この眉は強い顔を表現する。
老女形(ふけおやま) 年増といわれる年代の女形の頭。
別頭(べつかしら) その役にあてはめて特別に作った特殊頭。とくに酒呑童子など超特大のもの。
別師(べっし) 目尻は切れているのが角目よりは優しい表情の頭。文楽の検非違使から転化した名称で、太功記の久吉などに使われる。
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ま行
眉下がり(まゆさがり) 眉尻がとてつもなく下がるカラクリをいう。鼻返りと連動しており滑稽な役に使う。下がり眉、眉落ちも同じ。
丸目(まるめ) 目が大きく楕円形。特に目尻が丸くて上下の瞼の接点がない。文楽の団七にあたり弁慶などに用いる。大丸目、小丸目の二種あり、小丸目は少し小さく敵役に使う。
娘(むすめ) 若い娘に用いられ、頭の中で一番美しい。二十四孝の八重垣姫、八百屋のお七など。
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や行
焼印(やきいん) 喉木や胴串に押してある人形師の焼印で、頭の製作者の証となる。他の人形師の作品を補修した際の焼印もある。
山姥(やまんば) 頭の口が裂け、目は大きく返り目になり、角が二本現れる。大江山の山姥。
横目(よこめ) 頭の目の左右の動きで、左右いずれかへ二つの瞳が動く。特定のものを見たり、流し目や蔑視、憎悪の表情に用いられる。
寄年(よりと) 年寄りの頭のこと。爺、舅などの総称で、文楽の鬼一にあたる。時代物では師直や時政、世話物では徳右衛門など。
寄り目(よりめ) 両眼の瞳が鼻柱に向かって引き寄せられる動き。眉の動きを伴い、忿怒、悔根、決意、威嚇などを表現する。
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あ行
若男(わかおとこ) 二枚目に用いられる青年の頭。目は優しく鼻筋が通り顔に品がある。太功記の十次郎や玉藻前の采女之助など。
 
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